5. 経営
経営

組織全体で能動的に学ぶことの重要性

ニュース記事

 学習する組織とは、どういうものであろうか。ピーター・センゲが30年前に著書『学習する組織』の中で、不確実性が増す事業環境にあっては、常に進化し続けるために、高度な「学習能力」が必要だ、と指摘している。  
 目的に向け、効果的に行動するには、集団としての意識と能力を継続的に高めていく組織がなければならない。そうした中で、社員は自己との向き合い方、本質を見抜く思考法、幅広い視座、対話する力、理念や価値観の共有を行っていく。あらゆる課題に対し、創造と再創造を繰り返す組織開発メソッドである。  
 日本でも先進企業を中心に取り組んできた例はあるものの、広くは定着しなかった。それが、パンデミックという脅威の中で、DXという解のない経営環境を乗り切るために、改めて学習する組織の重要性が求められているのである。  
 多くのビジネスパーソンが、個別の言葉は聞いたことがあるだろう「自己マスタリー」「システム思考」「メンタル・モデル」「チーム学習」「共有ビジョン」という5つのディスプリンだ。これによって、組織の課題に取り組んでいくことが求められる。これが未来の組織の在り方を示しているといわれるゆえんである。
DXの決め手となる「ラーニング・ジャーニー」とは? 【デジタル人材の誤解④】組織全体で能動的に学ぶことの重要性(3/3) | JBpress (ジェイビープレス) (ismedia.jp)

哲学的な解説

社会的自我とは,とくに他の個人ないし諸個人との相互作用という背景ないし文脈のなかで経験される自我をいう。クーリーは,こうした自我が,いわば他者という鏡に映った自我(鏡映自我looking-glass sefl)の内容や特徴にもとづいて形成されるといい,G.H.ミードは,児童の自我概念は他者との相互作用を通してはじめて成立するという。(中略)自己自身に対する外部からの見方や考え方を確認していく一方,それを内面的な自尊心や自意識と対決させながら独自の自我イメージself imageや自己評価self evaluationを徐々に作り上げていく。したがって,この時期における役割取得の性質や社会的適応性とも密接な関係をもつ,といわれる。
哲学事典』「社会的自我」(p.637)
(中略)自我は,自分自身を取り囲む像への同一化として出発した以上,初めから社会関係の中に取り込まれている.初めに本来的な自我があってそれが疎外されているというより,疎外されることによって初めて自我が生まれる.この構造は,他者との関係が人間主体の本質であることを意味するばかりではなく,同時に,本来的自己の復権を社会に対して要求する〈パラノイア〉的な病苦を基礎づける.
岩波 哲学・思想事典』「鏡像段階」(p.344)

自主管理個人主義による哲学的な学習

他者や社会に疎外されてこそ、初めて本当に自分に臨み始めては、社会の実態を学び始め、人間の内面を知り始めているということを痛感して、向学の念を強めること。
社交や組織で、相手に主導権をあっても、自身の懐疑心や批判思考等を鍛錬し続け、自分に主導権があったら、相手からの懐疑や批判等に肯定的に対応すること。
「必要性を感じる」という受動的な姿勢ではなく、「必要性を生み出す」という能動的な姿勢を心掛けること。
次の三つのことが出来るように、長年掛けて、数多くの奮励努力や創意工夫に、その苦労や経験等を積み重ねていくこと。
①「理解されないこと」を理解すること。
②「拒絶されること」を受容すること。
③「真の知識は無い」という実の知識が有ること。
幼少期の出来事や成長過程・学習内容を振り返ってみること。
自分が「原因者」として、結果者である「他者」にどう作用したかを学び知り、同様に、自分が「結果者」として、原因者である「他者」からの作用を学び知ること。
時間の経過を実感する、則ち、変化の内容を確りと学び知ること。
他者の無責任や無気力に、無知や無学を反面教師として、自分自身も同様にこれらを抱えていることを本当に自覚して、改善や向上に努め励んでいくこと。
原点に立ち還ってこそ、新しい起点が生まれ、新しい起点があってこそ、基準を新しくすることが出来るのを、学び悟ること。
「『知りたくない』という心」の発動や、「知らない権利」の行使、「知ることの放棄」の選択をする場合でも、確りと考え尽してから、自ら行うこと。
環境の実態を、他人の感情や言葉、物事の形式や表面から知るではなく、その内容や因果関係に、諸々の作用や影響を究明していくこと。
相手からの言葉だけではなく、自分自身の言葉を以て、自己形成に繋げていくこと。
集団や組織に社会の「安定・秩序・常識」等が、「無個性・硬直化・同一化」等へと陥らないよう、「新規・省察・懐疑」の心を懐いて、実践していくこと。
承認欲求や社交性等を鍛錬しつつも、孤独や自力等をも鍛錬して、適切な社会生活と適当な自己啓発を図っていくこと。
社交の時間とその内容の質を高めて、孤独の時間とその学習の量を増やしていくこと。
自主管理個人主義(3つの能力/12の能力要素)と「経営」

紹介文献

学習する組織――システム思考で未来を創造する | ピーター M センゲ, 枝廣 淳子, 小田 理一郎, 中小路 佳代子 |本 | 通販 | Amazon
■学習する組織とは?  
 「学習する組織」とは、目的に向けて効果的に行動するために、集団としての「意識」と「能力」を継続的に高め、伸ばし続ける組織です。  
 本書では「チームの中核的な学習能力の3本柱」や「学習する組織」を創るための5つのディシプリンなど実践に必要な理論を紹介。さらに具体的なツールと実践を支えるための組織インフラの改革の指針も示します。
(学習する組織の5つのディシプリン)
自己マスタリー・・・継続的に私たち個人のビジョンを明確にし、それを深めることであり、エネルギーを集中させること、忍耐力を身につけること、そして、現実を客観的に見ること
メンタルモデル・・・私たちがどのように世界を理解し、どのように行動するかに影響を及ぼす、深く染み込んだ前提、一般概念であり、あるいは想像やイメージ
チーム学習・・・グループで一緒に、探求、考察、内省を行うことで、自分たちの意識と能力を共同で高めるプロセス
共有ビジョン・・・「私たちが創り出そうとする未来の共通像」であり、「組織全体で深く共有されるようになる目標や価値観や使命
システム思考・・・システムのパターンの全体を明らかにして、それを効果的に変える方法を見つけるための概念的枠組み  いま個人・企業・社会に求められる真の「変革」とは何かを私たちに問いかける。
社会的自我 | ジョージ・ハーバート ミード |本 | 通販 | Amazon
G・H・ミードの社会的自我に関する3つの論文を訳したもの。自我の社会性とコミュニケーションの問題を中心として、ミードの自我論の基本的枠組が示され、その社会的自我論が体系的に示されている。
精神・自我・社会 | G・H・ミード, 山本雄二 |本 | 通販 | Amazon
 ミードによれば、精神も自我も社会的現象である。この命題を基礎にミードの講義は、進化論、身体、意識、経験、言語、普遍性、民主主義、経済、宗教、教育、共感、優越感、愛国心とあらゆるものに及び、さらに理想の社会への道を阻むものを問う。人間を人間たらしめている条件とは何か、人間社会の成立と発展の条件とは何かをめぐるミードの思索は、ほかに類をみない。  
 ミードは生涯その思想を著書にまとめることをしなかったが、この社会心理学講義は速記録をもとに『精神・自我・社会』としてまとめられ、日本でもいくつかの翻訳によってながく読み継がれてきた。本書はこの古典の明解で新たな翻訳である。この新訳によって読者は、ジェスチャー概念を軸に行為の身体性と社会性を一挙にとらえる独創性と、個人から出発するあらゆる思想的傾向の誤謬を乗り越える思考のダイナミズムとを、誤解なく見ることができるだろう――100年前の白熱講義に出席しているような知的興奮とともに。
現代思想冒険者たちSelect 鏡像段階 ラカン | 福原 泰平 |本 | 通販 | Amazon
フロイトを継ぐ精神分析理論の発展を辿る。鏡に映る自分の姿を見て幼児は統一した自己像を獲得するとした「鏡像段階」の理論など、フロイト精神分析学を発展させたラカン。その生涯と思想の核心を読み解く

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