15. 科学技術
科学技術

第6期科学技術・イノベーション基本計画

ニュース記事

第6期科学技術・イノベーション基本計画 – 科学技術政策 – 内閣府 (cao.go.jp)
 科学技術社会論 (STS) とは何だろうか。科学と技術と社会のインターフェイスに発生する問題について、人文・社会科学の方法論を用いて探求する学問である。たとえば、哲学からは、「科学とよばれているものは何なのか」「真実とは何か」、社会学からは「社会は科学技術研究のプロセスにどのような影響を与えるのか」、歴史学からは「真実とよばれるものは各時代でどのようにとらえられてきたのか」、倫理学からは「科学者の社会的責任、技術者の社会的責任とは何か」、政治学からは「科学と民主主義の関係とは」といった問いが提起される。  科学技術社会論はこれらの問いを探求していくのであるが、それだけではない。探求しながら、同時に「つなぐ」「こえる」「動く」ことを行っている。  
 「つなぐ」とは、科学技術研究の現場と社会とをつなぐ、自然科学や技術の分野と人文・社会科学分野をつなぐ、研究者と市民との間をつなぐ、といったことを指す。実際STSの課題は、分野と分野の間の隙間、各組織の所掌範囲の隙間、いままで交流がなかった集団同士の隙間に発生することが多く、それらをつなぐことが課題となることが多い。たとえば科学技術のELSIは、先端科学技術が社会にうめこまれるときの倫理・法的・社会的含意を考えることであるが、それらを各利害関係者(研究者、市民、政策決定者、産業界、NPOなどの第三セクター)と共に考えるには、科学技術研究の現場と社会とをつなぐと同時に、自然科学や技術の分野と人文・社会科学分野をつなぎ、研究者と市民との間や研究者と産業間の間をつなぐことが必要となる。   
 「こえる」とは、学問分野の境界を越えて課題に対処する、組織の壁をこえて問題に対処することを意味する。たとえば東日本大震災直後の原発事故を考えたとき、東電の担当者を糾弾するだけで問題は解決するだろうか。「Aという組織がXをしたから、けしからん」と組織を攻撃し、組織外の人々が事故や災害を他人事と考えている限り、問題は解決しない。組織や制度をどう変えれば今後問題を防げるのかを共に考えること、どのようにシステムを再編すれば日本が世界のなかで責任を果たしているとみなされるかを考えることが必要だろう。その場合、組織外の人々も他人事ではすまされない。新しい制度化への議論の参加が必須となる。そのとき、次の「動く」が重要となる。  
 「動く」とは、たとえば組織や制度をどう変えれば今後の問題を防ぐことができるのかを共に考える場を設計し運営することである。環境問題に対処するための市民WSを開催する、AIの倫理を考えるための市民WSを運営する、遺伝子組み換え食品やゲノム編集作物の安全性を考えるための市民WSを企画する、なども考えられるだろう。
UTokyo BiblioPlaza – 科学技術社会論とは何か (u-tokyo.ac.jp)

哲学的な解説

国家公共の一般的秩序と、社会に妥当する倫理観念にかなった慣習,道徳秩序とを合せて表現した法的,倫理的規範。公序良俗とも略称され,実定法解釈上の重要な価値基準をなす。
哲学事典』「公の秩序・善良の風俗」(p.187)
人間が他者との相互作用を通じて社会的存在になっていく過程,およびそうした人間の相互作用を通じて社会そのものが生み出されていく過程,この双方向の過程を社会化という.社会的存在としての人間の形成や発達を促し,社会への適応や同化を促す社会化の過程は,人間が他者とともに在る存在である以上,人間社会に固有の不可欠な過程であり,社会学だけでなく,心理学,教育学,人類学などを横断する境界的な問題領域として浮かび上がってくる.
岩波 哲学・思想事典』「社会化」(p.688)

自主管理個人主義による哲学的な学習

財やサービスを利用する際に、購入する動機や理由に、その社会的な背景や影響を自ら学び知っていくこと。
自主的に問題提起をし続けていくことで、自助努力の精神とその実践を積み重ねていくこと。
働き掛けることの重要性を知るために、自分が「誰に」や「何に」働き掛けられているのかを学び知ること。
「切問近思」即ち「『当事者意識』を以て、私生活と社会問題の連繋を学び知って、思慮分別を以て善く生きること。」に努め励むこと。
思弁を積み重ねて得た成果と、経験を積み重ねて得た成果を、科学を以て分析的に理解しては、実践的に連携していくこと。
(ひろ)く」即ち「多く・大きく・広く・深く」学び続けていくこと。
社会問題と私生活を、意識的に連携して、労力や金銭と時間の使い方を、「知識(学習)」に基づいて注意深く考えていくこと。
社会的な退廃や破壊等を慎んで学んでは、個人的な啓発や創造等に楽しく努め励んでいくこと。
技術革新による利益と大自然の摂理の反比例的な関係とその相互作用を学び悟ること。
総合的な知識並びに学習を以て、過去から現在に至るまでの時間の変化を体得し、現在から未来へと至るまでの刻々の瞬間に得る知識を深く学び得ること。
環境の微々たる変化が、潜在的な環境の決定的な変化の要因の具現化であることを学び知ること。
「時間に話し掛けること」即ち「変化による作用や影響等を学び知ること」つまり「自分自身の精神の中の他者を発見すること」に努めていくこと。
自分自身の欲求や苦痛を勇ましく学んで、継続的な学習を以て、徐々にかつ着実に克服かつ洗練していくこと。
社会や国家の利益について深く考え尽しては、それらをも超越して、宇宙(大自然)の美について学び知ること。
自分が誰であるのか?という疑問を、社会的に懐くことで、社会的な圧力や束縛から自己解放し、哲学的に懐くことで、私欲や我執から自己解放していくこと。
自主管理個人主義(3つの能力/12の能力要素)と「科学技術」

紹介文献

科学技術社会論の挑戦1 科学技術社会論とは何か (科学技術社会論の挑戦 1) | 藤垣 裕子, 小林 傳司, 塚原 修一, 平田 光司, 中島 秀人 |本 | 通販 | Amazon
科学技術と社会の間に、「新たな関係」を構築する。原発事故、気候工学、ゲノム編集、…現代に生じるさまざまな課題にどう取り組むか?科学技術社会論(STS)は、日ごろあたりまえと考えられている事柄の見え方を変える力をもつ。イノベーション論や科学技術政策との関係もふくめて問い直す。
科学技術社会論の挑戦2 科学技術と社会: 具体的課題群 | 藤垣 裕子, 小林 傳司, 塚原 修一, 平田 光司, 中島 秀人 |本 | 通販 | Amazon
現代が抱える課題の解決に、新たな考え方を提起。日本に次々と生起する諸問題は、科学技術を抜きに語れないと同時に、社会の諸側面も考慮する必要がある。さまざまな分野と関連するSTS研究を、メディア、教育、法、ジェンダーなど個別具体的な課題ごとに解説し、その広がりを示す。
科学技術社会論の挑戦3 「つなぐ」「こえる」「動く」の方法論 | 藤垣 裕子, 小林 傳司, 塚原 修一, 平田 光司, 中島 秀人 |本 | 通販 | Amazon
さまざまな学問が交差し、STSを作り上げる。科学技術と社会、研究者と市民の間を「つなぎ」、学問分野や組織の壁を「こえ」、課題を解決し、今後の問題を防ぐために、STSはどう「動く」のか。具体例を交え、さまざまな方法論を紹介する。刺激に満ちたシリーズ全3巻完結。
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精神疾患の母親を支える大学生、18年間変わらぬ願い

ニュース記事

 6歳のとき、自宅でクラスメイトに「お前のお母さんはどこ?」と聞かれたレ・ドゥック・ヒエウさん(18歳)は、台所に鎖でつながれている人をおそるおそる指さした。するとクラスメイトたちは「頭がおかしいおばさんだ」と騒ぎ立てて走り去って行った。1人取り残されたヒエウさんはその場に立ち尽くし、涙を流した。  
 中学生になると、ヒエウさんは友人にからかわれてももう泣かなくなった。母親のことを侮辱する人たちに戦いを挑み、しばしば傷を作って帰宅した。  
 学校を辞めようかとこぼしたとき、母方の祖母であるチェー・ティ・ガイさん(73歳)はヒエウさんの傷痕をぬぐいながら「お母さんはお母さんだから。もう誰もあなたのことを見下したりできないように、今はしっかり勉強をしなさい」と彼をなだめた。  
 南中部沿岸地方クアンガイ省ギアハイン郡ハインドゥック村キートバック村落に暮らすヒエウさんは、2021年7月にホーチミン市経済大学に入学した。合格の知らせが届いた日、ヒエウさんは泣き、祖母も泣いた。母親だけが無邪気に笑い、息子が運んできたばかりのご飯茶碗をひっくり返した。  
 ヒエウさんの母親であるレ・ティ・トゥオンさん(47歳)は、今から26年前に精神疾患にかかった。家族は省内の病院から東南部地方ドンナイ省や北中部地方トゥアティエン・フエ省など各地の病院まであちこちに出向いて治療できるところを探したが、一向に症状は良くならなかった。  
 病気になったばかりのころのトゥオンさんは、1日中部屋で座ってぶつぶつとつぶやき、それから叫び声をあげ、人を殴り、家を出て徘徊した。しかし、毎回外へ探しに行く気力もなくなり、トゥオンさんの母親のガイさんは娘を台所に鎖でつないでおくしかなかった。  
 29歳になった年、トゥオンさんは知人の男性から性暴力を受けた。それでヒエウさんが生まれたが、父親はヒエウさんを引き取ろうとしなかった。  
 家は貧しく、ガイさんは野菜や米を売ってわずかなお金を稼ぎ、孫のミルク代に充てた。しかし、そのお金はミルク1缶分にも足りず、売り手の配慮で代金の半分だけ支払い、半分は借金という形でミルクを手に入れていた。  
 トゥオンさんの病気は重く、誰が誰なのか、ましてやヒエウさんが自分の息子であることもわからない。トゥオンさんが口にする言葉は、お腹がすいたときの「お母さん、ご飯」という一言だけだった。  
 10年前、台所に鎖でつなぐ代わりに、家族はサポートを受けてトゥオンさんのための小さなスペースを家の中に作った。部屋は常にしっかりと鍵がかけられ、窓には格子が付けられた。トゥオンさんはここで寝食を行い、ガイさんとヒエウさんが交代で面倒を見る。
精神疾患の母親を支える大学生、18年間変わらぬ願い [特集] – VIETJOベトナムニュース (viet-jo.com)

哲学的な解説

 精神哲学は精神の自己認識であるとされ,精神の段階が主観的精神,客観的精神,絶対的精神に分けられた。絶対的精神は精神の最高段階であり,芸術,宗教,哲学の3つがあげられるが,哲学は絶対的精神の哲学の哲学つまり論理学となり,「エンチクロペディー」の起点である論理学に還り,円環をなす。そしてこの意味で真理は全体であり,精神哲学は全体の哲学であるとされる。
 自然哲学に対し、精神生活の原理、本質、形成、創造、価値、目的などについての哲学的考察。
 心理学の基礎づけを試みる哲学で、精神科学の哲学ともいわれる。
精神哲学とは – コトバンク (kotobank.jp)
精神医学・精神医療の基礎知識
1.精神医学とは  
精神医学は、人間の精神現象を扱う学問で、正常と異常の両方を対象としています。  「人間の心」という奥深い、複雑なものを対象としているため、自然科学であると同時に、人文科学的な性質も持っています。
2.精神医療の目的  
「医学の方法により心の悩みをいかに解決するか」が究極の目的とされています。
精神医学・精神医療の基礎知識 (jikosoudan.net)

自主管理個人主義による哲学的な学習

行動の理由(自己決定の要因)や原因(環境からの影響による要因)等を究明していく行動、則ち、行動を究明していく行動を積み重ねていくこと。
原因を認識しては、分析を通じて自力へと変えて、意志決定を以て理由を創っていくこと。
肉体に因って生じた精神を以て、肉体を制御していく等、原因に因って生じた理由を以て、新しい原因並びに理由を自ら生成していくこと。
肉体や経験等で学び得た直感や、常識や教育等で学び得た理知等を鍛錬しつつ、それらを超越した、形而上学(第一哲学)的な知を学び得ていくこと。
「脳髄」という有形で可視の事物だけではなく、「精神」という無形で不可視の事象の存在を再認識すること。
「在る」即ち「物が在って、事が在る(実存)、さらにそれは、事が物を(なが)()させて、物が事を(たも)っている(本質)。」ということを学び知ること。
内界の空間(意識)を認識しては、内界の法則(心理)を再築して、内界の時間(精神)を善く変化させていくために、挑戦的な省察を行っていくこと。
無から有が生じ、陰から陽が生じ、虚から実が生じることを会得して、無名・無形の、理由・原因、根源や原理等、そして、真理への創造的な気付きを持つこと。
「知っていくことは、知らなくなっていくことへの道であり、知らなくなっていくことは、知っていくことへの道である。」という矛盾を悟ること。
精神の修養のために、解釈(主観的な知識の拡大や広範化)と解明(客観的な知識の批判や深化)を両立させていくこと。
「道」・「理」・「気」・「心」等、「その存在は明確に認識できるが、その実態を精確や具体的に認識することは不可能な存在。」を認識すること。
言語が、意思表示を通じて、物事を明瞭にしては、意味を創造して、いくと同時に、認識を限定させては、意識を偏重なものにしてしまうのを学び知ること。
言語が精神を生成し、行為が現実を形成し、その行為は精神に由る、ということを理解して、言語の意味を慎重に学習や選択、そして創造や発言していくこと。
無生物を観察して、生物である自分自身を構成している諸物が、生物
清掃や整理整頓に、自然観察や黙想等、外的な環境や身体的な習慣を通じて、内観や内省に、精神状態の安定や調和に、健康を図っていくこと。
自主管理個人主義(3つの能力/12の能力要素)と「科学技術」

紹介文献

精神医学の科学哲学 | レイチェル・クーパー, 伊勢田 哲治, 村井 俊哉, 植野 仙経, 中尾 央, 川島 啓嗣, 菅原 裕輝 |本 | 通販 | Amazon
科学哲学の思考を応用して精神医学の世界をつぶさに分析、精神医学批判のさまざまな疑念に答えつつ、医療現場の実践に即した提言を行う。複雑化する精神疾患や臨床試験をめぐる問いに、いかに向き合うのか―。切実な問いにこたえる待望の書。