宝鑑

第Ⅱ章:心;1

1.医術を仁術へと、医者を仁者へと、医道を仁道へと深化させよ、(アッラー)を崇拝する有徳な人格者よ。

1:1.病原は欲求、病因は本能、病根は無知、病毒は錯誤・暴力・無情・遺棄、持病は()意浅知無学、熱病は激情と自失、大病は無教養や無教育、重病は力への意志、難病は意図的な無知。運命は不治。

1:2.医術が仁術にも成れば、生命感情が心の知能へと進化し、医者が仁者にも成れば、救命だけではなく衛生も貫徹される上に生存の質も向上し、医道が仁道にも成れば、健在(ウェルビ)福徳(ーイング)が誠に完成する。

1:3.文明への好意・文化への厚意・生者への敬意・死者への弔意・世俗への善意が支点、謝意・誠意・熱意・決意が力点、自他周囲の我意・私意・恣意・得意・失意・無意・敵意・悪意が作用点。

1:4.「意余って言葉足らず」そして「知る者は言わず、言う者は知らない。」と言うが、誠に学び知れば知る程、言葉・人気・好都合が激減しつつも、言行一致・知行合一・名実一体へと進展する。

1:5.利益・便宜・満足・享受等、総じて、自身のよりも相手の方を優先せよ。損して強くなり、失って賢くなり、苦しんで善くなり、負けて美しくなれ。そして取捨選択しては自主独立するのだ。

1:6.知力・学力・意力・体力等、これらの強化と護持の方を最優先事項にせよ。知力が財力、学力が動力、意力が偉力、体力が効力で、忍耐力が続きを、判断力が打開を、実行力が打破を、成す。

1:7.行動力に持久力や耐久力等はむやみやたらに追求や称賛されるが、思考力や判断力に求心力等はほとんど高評や勧奨されない故に、大過に大損、大凶に大禍、大悪に大罪が多発と激増し続ける。

1:8.有力者の富ではなく有徳者の道へと突進し、人気者の名ではなく人格者の道へと勇進し、成功者の位ではなく実力者の道へと新進するのだ。修徳こそが巨富、積徳こそが美名、盛徳こそが栄位。

1:9.外面的には静的、内面的には動的な、外向的が強制的や従属的ではなく、内向的が破壊的や病的ではなく、自律した利他的な求心力と、孤高で高徳な遠心力の持ち主、これが一意専心である。

1:10.一時は道の一瞬、一所は道の一片。一事は万事の一面、一物は万物の一部。一命は大自然の一抹、一生は(アッラー)の御命令の一条。一つ一つを誠に大切にし、そして、誠に深く高く広く多く学べ。

1:11.あの心が(ひら)かれる事は無い、意図的な無学がそう確定しては死守しているから。その心が啓かれる事は無い、自己満足した浅学がそう断定しては終止符を打ったから。この心を徳と啓くぞ!

1:12.信仰ではなく理知で死生観を、()意ではなく誠意で歴史観を、既定ではなく自律で人生観を、合理ではなく情操で世界観を、影響ではなく観照で価値観を、誠に自ら確定しては再認識し続けよ。

1:13.十二分な休養と抜本的な心機一転が、疲弊に大損と徒労を有意義な経験と教訓へと変え、治った上に学んだ心と直った上に知った脳が、儚さに虚しさや空しさを善さと美しさへと変えていく。

1:14.意識を改革しては、高度な意識を有して、問題意識を創造し、問題外と問題視を確立しては、問題化と不問を熟慮断行し、問題解決学習を志しては、問題解決に挑戦して、問題解決を遂行せよ。

1:15.自分による自身の徳化・教化・感化・醇化・強化・美化、これら六つを完備してこそ、初めて医療化も脱医療化も誠に確りと善く開始できる上に根本的な進展がある。医者の不仁こそが病弊。

1:16.善は善か?悪は悪か?正は正か?邪は邪か?是は是か?非は非か?曲は曲か?直は直か?病は病か?薬害や偽薬・医療過誤や偽医療・医原病、習慣や伝統・通念や常識・知を、抜本的に直せ。

1:17.問題意識に問題解決は偉業である。だがその偉業は、負を(ぜろ)に戻した道路に過ぎない。課題の設定に課題の解決の遂行が零から正への道筋、生涯学習こそが本格的な道、初志貫徹が有終の美。

1:18.飲食や医薬等の必要不可欠な物、農林水鉱や保健衛生等の重要不可欠な事、教育者や指導者等の大事な者、不断の学習や有徳な人格等の根本的な力、これらを兼備すれば、治と直に革が成る。

1:19.才徳兼備そして仁富兼備こそが道。しかし現実は、不才の陰徳や不遇の陽徳だらけ、そして、不仁の富者や極貧の仁者だらけで、その格差は激化し続ける。「陰徳陽報」と「仁者必勇」を悟れ。

1:20.知って治せば徳が有り、学んで直せば徳を有し、続けて革め(あらた)れば徳に成る。我よ、知と徳を高くして人格を形成し、情と徳を厚くして人格を陶冶し、意と徳を誠にして人格を完成するのだ。


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