宝鑑

第Ⅳ章:能量;2

2.どうせ終わるが、それでも終わらせなければならい事を措定し、始まる事に参画しつつ逝くのだ。

2:1.(アッラー)の至上命令は、一に道、二に理、三に性で、その厳命は、一に気、二に熱、三に核で、その特命は、一に生、二に欲、三に知で、その使命は、一に徳、二に志、三に学。兼学して完遂せよ。

2:2.特殊化が、重大な起点にして偉大な基点と、病的な強大化にして禍因、どちらを成すか?普遍化が、(アッラー)への至誠なる孤高の復命と、意図的な無知の貫徹、どちらを成すか?誠に熟慮断行せよ。

2:3.社会から責任を負わされ続けたり、押し付けられ続けたり、付け加えられ続けたり等、これらを上手に回避や徹底的に打破して、仁義を以て多責を多幸へと、仁智を以て多難を多福へと変えよ。

2:4.志を堅持かつ研磨し、無理非道から完全に退いて、道へと孤高に進むのだ。学を継続かつ補完し、(げん)気・驕気(きょう)・怒気・病気・狂気等を浄化して、生気・意気・勇気・活気・正気等を純化せよ。

2:5.多く深く苦しみつつも、確りと克っては、覚えを学びへと変えて、隠微な強大化を成し、そして徳性を拝命し、修徳を決行し、積徳を敢行し、盛徳を遂行して、至誠なる大義名分を成し遂げよ。

2:6.本当の尊爵は、(アッラー)から授かった偉才に富貴栄華や功成名遂等ではなく、初志貫徹とその至誠の(アッラー)への奉納である。人々に尊ばれる事ではなく、自身を誠に尊ぶ事こそが、本当に大切である。

2:7.責任や義務は、集団や共同体に組織や社会にとって相対的に必要不可欠な便宜だが、人格の陶冶にとっては重要不可欠な自決。その必要性に潜む毒性を弱めつつ、徳性でその重要性を()(えん)せよ。

2:8.「道理」とは即ち「(アッラー)への回帰」並びに「定律への順応」及び「自律性(オートノミー)の確立」である。「道義」とは即ち「道理を改正しつつ現実に適応すること」であり、道義心は正実なる深き信心である。

2:9.総じて社会的責任は、形骸化した公共関係(パブリックリレーションズ)であり、偽善的強要であり、欺(まん)的放任である。修身しては自決して、自責しつつ、遺徳の承継者であると自負し、学道の創造者であると自任せよ。

2:10.凡人や愚人に病人、狂人に罪人や悪人が、心底から誠に道義的責任を実践躬行(きゅう)し続けて遂行する、これが「悪に強きは善にも強し」とい()(とわ)()本義である。両極端を執ってその中を体得せよ。

2:11.(もち)論、命は大いに惜しんでは、生を深く愛して、自然に死にたいと心の底から誠に強く思うも、それでもやはりそれらを犠牲にして、大義名分の遂行とその実現を志す。…至り深き功罪だ!

2:12.実に義理堅く、そして自敬しつつ修徳し、積徳しつつ勇進すれば、愚人から賢人へと変わる。本物の人情家は、厚情ではなく徳を以て絆や知を深め、善意ではなく道を以て赦しや施しを行う徳。

2:13.流れる事と廃れる事、そして流す事と捨てる事は、確かに酷似しているが、似て非なる取捨選択だ。気は生しては成しつつも取っては壊す。窮理と達観で気を落として、気を徳へと変えよ。

2:14.熱能量(エネルギ)の運動()は無秩序で、分散するのがその本質。徳の運動は極めて静寂で微弱だが、確かに躍動しては持続し、至徳は中庸の徳。衛生的で健康的な衣食住と倫理的で建設的な政経教を成せ。

2:15.熱の大小で相は変化するが、熱だけでは気は変化しない。気と熱は似て非なる存在。適時・適当な外圧・相互作用の複雑化・影響の多様化・合理的な内圧・主体性(オートノミー)が連係すれば、気が変わる。

2:16.熱・性・気は可逆変化を有する存在だが、質・形・態は不可逆変化で終わる存在で、あらゆる全ての世界の総能量(エネルギ)()既定されている上に不変で、気がそれに働き掛ける。故に「能量」と言う。

2:17.「全く以て、皆無からは絶対に何も生じず、全く以て、何も皆無にはならない。」と「全く以て、皆無こそが皆無」という自明の理を窮めて、大いなる流れの中で喪失し続けた意識を確保せよ。

2:18.(アッラー)は、動きでも働きでも、物質でも能量(エネルギ)()も、空間でも時間でも、陽でも陰でも、性でも気でも無い、永遠なる自存と原理、そして、真理は状態の無い存在即ち道。有は無より生じる。謎だ。

2:19.知・学・教・愛・徳が「絶無」であれば、愚・損・狂・病・害が一気に多発しては、爆発的に激増して、甚大で深刻な悪影響が連鎖し続ける。だが「享有」であっても、儚く途絶してしまう。

2:20.脱俗しつつも良心を道義心へと高度化し、超俗して無心と成りつつも有徳にも成り、還俗して、道義心を確立し、公共心を実践し、公徳心を体現して、公衆の感心や改心に向学心を収(らん)せよ。


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