宝鑑

第Ⅴ章:空間;0

0.無い、無い、確かに在るが、無い。無形の形式であり、根本的な真空である。一筋は始動と永続。

0:1.統一的な総量だが一体ではない環、秩序立った無秩序の相互作用と熱。熱は万物の動きを成し、気は熱の働きを為し、理は気の宿命を生す。『礼』は、一筋を律し、熱を秩序立て、運動を調える。

0:2.気そして能量(エネルギ)()熱運動を創成し、素粒子そして原子が物質を構成し、遺伝子そして細胞が自己組織化を生成する。万有引力を再認識し、質点を探究し、質量中心を確保して、主体性で適従せよ。

0:3.超高密度そして超高温の玄門…(アッラー)に絶賛あれ!原点回帰という大本の確立が学道の誕生。膨張しては収縮しつつも膨張し続け、集合しては形成しつつ拡散して働き掛けるのが、定律の具象。

0:4.(ぜろ)次元。玄門の開門で作用が生じつつも、その閉門で反作用は無い。気そして熱は自ずと拡散するも自ずと集合せず、核そして性は自ずと集中するも自ずと拡散しない。核と万有引力を窮めよ。

0:5.一次元。真理即ち状態無き永遠不変の変化を図解した結果は「直線」、真理即ち道を図解した結果は「真円」、あらゆる全ての世界の始終を図解した結果は「曲線」。曲線美こそが自然美である。

0:6.二次元。「形の完全な連係」と「長さと幅が実在する」、これが図の成立、また視覚が(もた)()情報の実態である。動きの無い連係と働きの無い成立。言語を再思し、概念を再考し、意識を再認せよ。

0:7.三次元。長さと幅、そして高さ(ある)いは深さ、この三つがそれぞれの方向に広がりつつも完全に連係する。物質界そして現実界の実相である。重力が、どう生じ、どこに在るのか、追究し続けよ。

0:8.四次元。「一道に因る円い一筋」が総能量(エネルギ)()齎す作用とその結果を「時間」と言い、三次元の静態を「空間」と言い、その動態の実体を「時間」と言い、その実態を「運動」と言う。静観せよ。

0:9.二次元においては真円が、三次元においては真球が、最も美しい美を有する。三次元が物質界そして現実界の実相にも(かか)わらず、二次元にこそ最も美しい美が実在する。形式と全容を把握せよ。

0:10.ああ、脳が在る上に文を有する生命体よ!異次元の世界は、至近の世界にして深遠な世界であるぞ!その世界は正に他ならぬ「心界」だ!物界と心界の両方を探究しつつ、一筋を追究せよ!

0:11.最も真実に近い色は真っ黒。色の正体は、外界では物質の表面に光とその反射と媒質の影響の結果、内界では視覚と意識。物自体を知るのは不可能。先入観や固定観念に錯誤を誠に打破せよ。

0:12.()く。「在る」が「無い」と成るが故に、「有る」が生ることも、決して少なくない。自ら熱誠に、学び始めれば「存意」が為り、学び知れば「存念」が為り、学び続ければ「有する」が成る。

0:13.()く。物質や能量(エネルギ)()定律を確りと再認識し、事物や物事に因果関係を深く究明し、媒質及び媒体そして媒介を熟知し、情報を精査し、知識を審問し、感覚と感性に知覚と知性そして徳を磨け。

0:14.()く。理性を放棄しては本能に隷従し、思考を停止しては猛烈な淫欲に沈溺し、肉体を密着し合い、体液を求め合い、自己中心性を爆発させる性交とその快楽は凄まじい。知性美を追求せよ。

0:15.本能的・感覚的・肉感的・官能的・扇情的・挑発的・爆発的…肉体美と健康美は似て非なる。超平面と超曲面を観照して身心を観想し、超立方体と超球面を観照して情理を観想し、両美を成せ。

0:16.向量(ベクトル)の起点にして本源、そしてその変化と終点を確りと探究し続けよ。計量法を確立しては、護持して、厳守し、計量器を完備しつつ点検に補修や新規購入を遂行して、数量(スカラー)を精確に計量せよ。

0:17.質量そして重心さらには重力を、物理量そして属性さらには熱運動を、能量(エネルギ)()して気さらには定律を、窮め続けよ。そして、操行が謹厚慎重、発想が自由自在、精神が高(まい)に成るようにせよ。

0:18.「光」と言う名詞が、また、「光る」と言う動詞も、「光輝(さん)然」と言う動名詞と形容動詞も、ある。しかし「闇」と言う名詞があるだけ。(うつ)けて一を以て万を知り、(うつ)けて万を窮めて一に至れ。

0:19.フルシーヤ。仁愛は誠に絆を成す、仁徳は系統から分化を為し、仁道は定律から自律を生す。

0:20.フトゥッワ。長き忍耐と全幅の自負そして高(まい)な理想と深い理解を研磨し続けつつ貫徹せよ。


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