宝鑑

第Ⅴ章:空間;1

1.純一で美が生じ、均整で美が生り、多様で美が為り、調和で美が成り、余白と仁が美を補完する。

1:1.物質界の世界線を探求しては、審美しつつ探知して、美化しつつ探究し、そして、美技を成せ。精神界の世界線を想像しては、理想を懐きつつ創造して、理念を確立しつつ修身し、そして、挑め。

1:2.実践神学を履修して自助努力と自利利他を決行し、根性論を履践して活性化と甲斐(かい)性を実現し、精神論を履行して意力と忍耐力を強化し、そして意気軒(こう)でありつつも環境を把握しては改善せよ。

1:3.天地人の利の獲得ではなくその象の熟知に努め励み、衣食住の量の増量ではなくその質の向上を楽しく挑み、名利の追求と社交を副次的な課題として、心身の静養と修養を基本的な課題とせよ。

1:4.食育と体育を遂行せよ。確りと、精神状態と知識を改正し、体質と体調を改善し、意識と習慣を改革し、正しい判断を下して、正しく実行するのだ。そして徳育に知育と情育に訓育も遂行せよ。

1:5.大食するならより一層運動せよ。小食な静養をせよ。自炊と内食を楽しもう!手軽で適宜な中食と、歓待と謝意もある外食を提供せよ。減食や断食は控えよ。暴飲暴食を根治せよ。節食が最善。

1:6.自己意識を再認して、空間知覚を再生し、自己認識を確立して、運動感覚を更新せよ。自ら己の歴史を知徳で心に著述しては、学徳で自戒を創造して、修徳で自助努力を続行して、徳用を成せ。

1:7.本能は脳髄を(あや)って()は駆り立て、激情は知能を操っては()き乱し、意図的な無知は真実を拒む。徳育は意気を、知育は才気を、情育は心気を、食育は生気を、体育は血気を、訓育は志気を、成す。

1:8.愛育、それは徳育の起点にして基点と、要点にして重点。愛しながらその身体を育てると同時にその精神を育み、そしてこの心身を護持せよ、慈愛。他者を信愛しては己自身を信愛せよ、仁愛。

1:9.弱者そして強者に、愚者そして賢者に、成れ。積み重ね続けているその慈悲忍辱と忍辱負重が、解決の道と福徳の創出を成す。最終的そして本質的には、純愛は自己実現の、徳業は道の、使者だ。

1:10.貧者達の不幸中の幸いは、自助努力に自強不息、相互扶助に相思相愛、勤倹力行に創意工夫、志学に清貧。求知・傾聴・向学という巨富と、廉直・自敬・利他という高貴は、自給自足できる宝。

1:11.貧賤驕人(きょう)と成ること(なか)れ。富者達の、特権の享受・財力の享有・自由の享楽・法外な享益の享持を見付け出しては、理不尽という現実とその合理性と合目的性を見出して、善く自力救済せよ。

1:12.古来の至言に「(おご)れる者は久しからず」とある。だが、その(おご)り高ぶり続けた事で(もた)()れた、その損害は甚大で、その害毒も深甚で、その連鎖は長久だ。仁智で補償を、礼義で根絶を、遂げよ。

1:13.広がり続ければ薄まっては冷め、高まり続ければ滅失しては無秩序と成る。広範な活動に利益や名望そして知識の根本義を人心一新とし、高名の中に不覚を自覚して、高潔で高徳な範に成れ。

1:14.包囲に対する打開策と突破口を創れ。団結心の有る沈勇の防戦で猛攻を迎撃し、知的で弾力的な抗戦で戦力を損耗させ、外交に諜報で包囲網を崩し、智謀に反撃で包囲軍を退けて、反攻せよ。

1:15.自我を考究しては、自制心そして克己心を成し遂げて、敵軍の心無き心を専攻せよ。兵站の完備と常備に補完を遂行かつ続行せよ。守勢も有る攻勢を熟慮断行せよ。速攻と猛攻に攻囲を成せ。

1:16.自軍の欠点や弱点に汚点、過失や罪悪の真偽を明らかにして、猛省に粛正と刷新を遂行せよ。孤軍の多発や激増を無くせ。援軍を事前に確保せよ。友軍との友誼を確立せよ。敵軍に徳を報いよ。

1:17.戦前の悲憤慷慨(こうがい)に意気投合そして誓約、戦中の一致団結に意気軒(こう)そして決死、戦後の功成名遂に意気揚揚そして再起、これらの病弊である遺恨・戦禍・慢心を根絶して、武徳と文徳を成せ。

1:18.農耕社会と田舎者が無学無識ではなく温和(れい)()であり、工業社会と労働者が汲汲(きゅう)(ぼう)忙ではなく性行淑均であり、情報社会と報道者が(ごう)世逸俗ではなく優(えん)閑雅である事を夢見つつ、建学せよ。

1:19.結局、共同社会と市民社会も、利益社会と格差社会に、学歴社会と大衆社会も、極点社会に危険(リスク)社会に、成るのは必然。そして、無縁社会に成るのも必至。さればこそ、社会変革を遂行せよ。

1:20.仁慈を以て社会悪を学びつつ社会生活を送り、仁知を以て社会意識を改め、仁智を以て社会技能に熟達しつつ社会運動を起こし、仁愛を以て、社会変革と社会統合を成し遂げる社会人に成れ。


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