宝鑑

第Ⅴ章:空間;2

2.物体に立体と、運動に現象が、空間を空間たらしめる。義士と義民に義軍が、国を国たらしめる。

2:1.統一の中の多様性は人気者にして成功者の偉業、多様性の中の統一が創設者にして勝利者の偉業。寛厳宜しきを以て多様性の危険性を抑制しつつ摩滅させ、博愛と粛正に徳沢と(とう)()を完遂せよ。

2:2.健全な利己心の完成、これこそが初学にして入学の根本義、主体的な利他心の完成、これこそが進学にして向学の根本義、半永久的な求知心の完成、これこそが志学にして博学審問の根本義。

2:3.諸悪の根源は「欲」という(アッラー)から授かった本性で、諸徳の根源は「知」という(アッラー)から授かった属性。野蛮人は悪意無き悪人、恩盗人は悪意に満ち溢れた病人、請負人は聖徳を完遂する聖哲。

2:4.大衆化が即ち民主化、民主化が即ち民営化、民営化が即ち自己組織化であるように、統治者として、大衆運動を洞察し、大衆路線を修正し、補完性原理の確立と自己統治の助勢と助成を遂げよ。

2:5.患者達は(やぶ)医者達に盲従し、弱者達は強者達に屈従し、貧者達は富者達に忍従し、賢者達は愚者達に面従する世…民徳に支えられ、民生を支え、公平無私な富の再分配を遂行する支配者に成れ。

2:6.(アッラー)の御命令とそれが既定した数多の複雑多岐な運命を知り、定律とそれが既定した数多の美妙巧()な自然法則を窮め、有徳な人格とそれが自決する数多くの課題を完遂する者こそが指導者。

2:7.率先躬行(きゅう)し続ければ、自力が完成しては確固たる強力に成る上により一層強大化し、率先励行し続ければ、他力に助力・規律に秩序・組織化に規範意識が成り、率先垂範し続ければ道が開ける。

2:8.雄弁家の言行一致で修辞は修学に成り、理論家の実践躬行(きゅう)で正論は正道に成り、実践家の反躬自(きゅう)問で実績は学績に成り、そして運動家の強理(けい)直で名望は徳望に成る。虚実を兼備するのが徳。

2:9.食育に体育と知育を受容して力者である上に知者であれ。徳育に体育と訓育を受容して勇者である上に仁者であれ。道徳教育に政治教育と情報教育を受容と応用して強者である上に富者であれ。

2:10.平面的な世論そして正論を熟知しては、多角的な注視に静観、そして多面的な精察に分析を熟慮断行して、全容を立体的に把握しつつ個々を根本的に認識し、そして建設的な周知徹底を成せ。

2:11.怒るのも、自然で不可避な事。それに、投じたり、流されたり、駆られたり、()まれりするのが、危険で不健全な事。それを、義で正当化し、知で鎮静化し、礼で美化して、仁で転化させよ。

2:12.進出が、創出や輩出にではなく、流出や脱出となってしまう、登用が、重用や愛用ではなく、流用や乱用となってしまう、これが世の常。好奇心と傾聴力を補強して、()納と反映を成し遂げよ。

2:13.法力そして権力の正体は強制力であり、その強制力は、武力さらには暴力をも含有する。法の番人達こそが誰よりも真っ先に・抜本的に・徹底的に・定期的に粛正されなければならない者達。

2:14.医食同源。良民の施政は良医の施術の如く。農本を常に復習と再認識し続けよ。民主政に仁政そして内政に農政を実現せよ。外政で虚飾に要求や現実逃避すること(なか)れ。衆愚は無視し続けよ。

2:15.「推本溯源」、これが祭政にして徳政を志す者の道。愛民に親民そして新民を根本義とし、至誠を以て(アッラー)を崇拝し、規範意識そして美意識と政治意識を一致させて、温故知新を成し遂げよ。

2:16.(アッラー)への誠に崇拝しては、「抜本塞源」即ち「自我を抜本的に徳化し、欲望を発展的に解消し、本能を進歩的に洗練し、観念を革新的に再構して、徳に()ちた内界と私生活を成す。」を貫徹せよ。

2:17.公徳心に廉恥心そして愛国心に自尊心を以て、「源清流清」という元首自らの政治主導で政治改革を実現して、「飲水思源」という、人民が自ら政治意識を以て政治運動を遂行するようにせよ。

2:18.政道を確立し、政徳を体現し、政権を粛正し、政府を是正し、政令を補正し、政党を改正し、政務を簡素化し、政界を浄化し、政綱を明示し、政論を選抜し、政策を完遂して、政績を徳化せよ。

2:19.民生の護持と向上が最優先事項、人民が生活費と学費を確保できるように勤しめ。国士(かつ)義士に成っては軍費を確保して義軍を確立せよ。文教で科研費を増やして薫育で生産費を減らすのだ。

2:20.実際のところ、交際費が徒費である事・旅費が(ぜい)費である事・政費が冗費である事・学費が空費である事は、甚だ多い。この嘆かわしい現実に決して屈従せず、節倹力行しては垂範し続けよ。


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