宝鑑

第Ⅵ章:時間;3

3.苦しくそして宜しく、善くそして美しく、高くそして深く、嬉しくそして愛おしく…(たえ)なる礼だ。

3:1.悼みという苦しみは、正に、凄みであり、また、強みであり、そして有難みである。孤独の中で慎独しては、内界にて内観して、入神の精神を生し、実に無駄で無意味だが至誠なる霊徳を育め。

3:2.中立を以て事理明白を確立し、中正を以て庸言庸行を研磨し、中和を以て明哲保身を実行し、中道を以て再出発し、忠実を以て世界と調和し、そして、至誠を以て中庸即ち至徳を学び行うのだ。

3:3.意図して新しさを求めず、それでいて自然と新しく成る、これが礼譲の道。愛しては、敬して、礼し、そして、導いては、遺しては、譲り、その後、有終の美を成し遂げよ。続きこそを善くせよ。

3:4.生命と生活に人格等は誠に進歩的に尊重され、理想的(かつ)現実的な目的意識を確りと組織的にも個人的にも共有し、指導者が理念を体現する有徳な人格者であれば、加重・強制・酷使等も有意義。

3:5.最も強大な法力は、厳正中立を以て抜本的かつ徹底的に追及しては、実際的に厳罰を施行して、問題意識を以て精確にそして建設的に情報公開する決断力と実行力。情理を尽くて公共を善く奉れ。

3:6.博文約礼を以て立志し、問題意識そして目的意識を以て理念法を確立しては、誠心誠意そして実践躬行(きゅう)を以てそれを確りと体現して、格致日新を以て不言実行そして率先垂範を孤高に遂行せよ。

3:7.(ひと)りで直立しては、高らかに志学して、たった独りになっても礼儀正しくあれ。孤高に苦学しては、体現して、奮励努力してこそ、道が開け、その道からあの道へのこの道が生じ、続きが成る。

3:8.正義を以て、自身の意図的な無知を根絶しては、自身の病を根治して、自身の力への意志を研ぎ、そして、不正義と邪悪こそを憎み、相異や相反に対立や対決等する別の正義を理解と尊重せよ。

3:9.正義は仁愛に遥か及ばず、仁愛こそが正義を育成するが、正義こそが仁愛を護持し、暴力自体は決して正義ではないが、正義の行使自体が暴力である事は多々ある。諸徳を以て正義を是正せよ。

3:10.相思相愛という滅多に無い尽善尽美を称えて、諸悪を知的に無視と回避しつつ抜本的に問題視と危険視し、諸賢を礼儀正しく迎えて教授を請い、諸徳を私的に修め続けつつ公的に積み続けよ。

3:11.実に本能的そして動物的に、また全く以て無責任で無関心、そして極めて利己的で自己疎外に陥った激しい性交は、多大で猛烈な快感を齎す(もたら)。政経教の病弊と社会悪も、これに酷似している。

3:12.統治が法治に法る(のっと)ことで国家が治まり、法治が礼治に法ることで社会が治まり、礼治が自治に法ることで個人が治まり、自治が徳治に法ることで人格が治まる。内治こそが統治の中の統治。

3:13.不治の無惨即ち貪(らん)や邪悪等は、消毒や滅菌に死刑や(せん)滅等の如く徹底的に対抗せよ。難治の悲惨即ち未熟な善良や賢明に未達の秩序や正義等は、教練や説教に労役や教育刑の如く啓(もう)せよ。

3:14.「殺しもせず生かしもしない」、これが世道人心。殺さないのは、無慈悲で不仁の正義の故に過ぎず、生かさないのは、意図的に学びも知りもしないことを貫徹する心意の故。仁知を成すのだ。

3:15.「苦しい時の神頼み」という民心を反面教師として、「苦しむ徳の入神」という誠心を成して、「神はいない(アッラー)以外は」という抜本的で直感的で着想を成して、「自助努力」と自決して決行せよ。

3:16.慇懃(いんぎん)な社交を積み重ねて、己の認識が現実味を帯びるようにし、懇切丁寧な助勢を積み重ねて、関係の質が真実味を帯びるようにし、懇到切至な教導を行って教育の(だい)()味を深く味わうのだ。

3:17.克己復礼してこそ、円熟した熟議と高論卓説を、体元居正してこそ、建設的な監察と衆知と衆智の()納を、博文約礼してこそ、教育的な現場監督と協力的な競争意識を、成すことが出来る。

3:18.衆愚の好き嫌いは取るに足らない強勢、厳正であり続けるよ。衆望とその愛憎は確りと精察するべきだがあまり参考にするべきではない。衆知と衆智とその礼意は、情理を尽くして酌み取れ。

3:19.非常に善良で大変聡明な知識人は(もち)論、極めて狡猾(こうかつ)で技巧的な処世術を持った者も極めて礼儀正しい。知者は学者、智者は高度な相手意識の持ち主、上なる知者は至誠なる自己意識の持ち主。

3:20.礼礼(いやいや)し知者として礼儀正しく知的に応対し、恭謹な智者として恭敬を以て恭しく教育的に指導し、上知を有しては、思慮深い性格と慎み深い振る舞いを成す学者として、謹厚慎重を体現せよ。


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