宝鑑

第Ⅶ章:原点;4

4.発酵のように、実に古臭くて極めて陳腐な遺訓や遺教も、微妙玄通を以て捨象すれば道が開ける。

4:1.知は情の演(えき)的な深化の成果。智は、欲が進化した成果「望みとその為の奮励努力」の、経験的及び帰納的、実践的(かつ)理論的、論理的やがて合理的、理性的やがて理知的な結実。上知こそが道。

4:2.原点は始点でありつつも終点であり、時間は過程でありながらも内容であり、空間は形式でありながらも実体であり、認識は理解でありながらも誤解であり、学習は適応でありながらも創造だ。

4:3.「研学」即ち「研究自体の研究」も遂行し、そして諸々を超越した高次のものへと変えよ。特に、メタ認知にメタ知識そしてメタ哲学を遂行し、そして、メタ検索そしてメタ解析をも遂行せよ。

4:4.多く抽出しては、確りと厳選して、誠に精選し、多角的な精査を遂行しては、多面的な分析を遂行して、多方面な蒐集(しゅう)を遂行し、万を網羅しては、総合的な判断を成して、包括的な志を遂げよ。

4:5.「苦しいのは皆同じ」、この言葉は、物質的に考えればまあまあ正しいが、感覚的並びに心的、そして、量的と質的に考えれば、全く以て間違いだ。「感覚質」という主観的で特有の事物と事象。

4:6.厳重に注意し、真()に復習し、総合的に予習せよ。数多の思()と理論に恍惚(こうこつ)を積み重ね続けるが故に空疎に成る事、数多の経験と実践に功業を積み重ね続けるが故に偏狭に成る事は、甚だ多い。

4:7.まずは何よりも誠に学べ。それを続けつつ始めよ。まず分析して解析せよ。また仮定して評価せよ。次に網羅して総合せよ。そして包括して創造せよ。やがて確定して完遂し、再び新たに学べ。

4:8.窮理という道の深奥には神変が潜在し、神変の未来には既定の通達が存在し、通達は過去での絶対的に確定された道と未来での不確実ながらも恒常の一部と成る。徳を以て独我論を道に変えよ。

4:9.ほとんどの概念は通念で、観念が通念と合致するのは極めて有利、そして、安全である。この合致が常識を確立する。「常識的」が「主体的」に従属し、「主体的」が徳に師事するようにせよ。

4:10.類知らず・世間知らず・身の程知らず・訳知らず、礼儀知らず・恥知らず・恩知らず・情け知らず、疲れ知らず・物知らず・我知らず・命知らず等…庶民的・道徳的・合理的な求知心を育め。

4:11.どうであれ、結局のところ、根源は超越的であり、客観的に言えば、超越的は確かに根本的だが、やはり幻想的で、現実は実際的であり、最終的に英断と断言すれば、現実的こそが抜本的だ。

4:12.「苦しいよお!ずっと苦しいよお!!本当に苦しいよお!!!」…一つ目は感覚、二つ目は意識、三つ目は学習。苦は、理であると同時に苦は病である。学徳が、万苦を消滅と転化させる道。

4:13.突然無くなり、また無くなり…実は既に無く、そして本当は無かった…全く以て、「本当に知らなかった」というのは滅多に無い。「本当は、知ろうとせず、それを貫いた。」がほとんどである。

4:14.物界と心界、そして物心(ものごころ)。心は存在するが、現実がその存在を存在たらしめ、現実に対する適応がその実在は生し、それに対する認識がそれを為し、その中での自主独立と自由がそれを成す。

4:15.未熟から完熟への道に志すのであれば、(おご)ること(なか)れ、(てら)うこと勿れ、我は徳に師事し、徳は道に従事する。未達から到達への道に志すのであれば、知らずに知り、学ばずに学べ、道は虚空。

4:16.あらゆる全ての世界も絶対に終焉する。半永久は永久で非ず、半永久的も永久的で非ず、永久は永遠で非ず。物質の存続は半永久、能量の存続は永久、存在自体は永遠、徳の存続は半永久的。

4:17.真空でも、対生成と対消滅が絶えず常に自ずと続く。元徳は徳の直前の素で徳で非ず、虚空から生じる。徳の前身は能量(エネルギ)()、虚とは心気、空とは無意識。修徳しつつ両得と両損を両立させよ。

4:18.「真知」は全く以て無いが、「真正な知」も無いが、学究的には有り得る。それは、無知の知に懐疑心及び不可知論並びに可謬(びゅう)主義の所産で、上知がそれを完成し、生涯学習がそれを補完する。

4:19.将来の歴史に問題解決学習の遂行と課題設定学習の開始があり、未来の歴史が課題設定学習の遂行と生涯学習の開始があり、未来永(ごう)生涯学習が貫徹並びに伝承されるように立志と垂範せよ。

4:20.もしも…いや、もし、実際に知的には、真に実在するのは自我とその所産だけだとしたら…誠に自問自答しよう!独我論は確立したが何する?…人格陶冶に自己実現と生涯学習の初志貫徹だ。


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