徳九倍層

『徳九層倍』:上篇「実事求是」(⒎-⒔)

⒎三つの認識と決行を心掛けるのだ、「実は、それはああだったし、これもああであるし、あれもああになりつつある。だから誠実に自力で確りと多く深く実際に、歴史を学んで窮理し、己自身を知って発心し、活性を極めて入神すること。」と。「ああ」とは何か?その形式は「大自然」であり、その内容は「既に()つ常に在る永続」であり、その属性は「全体的そして総合的には『一』、部分的そして一時的に『多』。」であり、その本質は「あらゆる全ての変化が帰属する変化、そして永遠不変に直属する変化。」である。さあ、知情意を練磨しては、心技体を錬磨して、事上磨錬せよ!

⒏「練る」とは「解れてしまった糸を結び直して再び(まと)める如く」である。故に、多く制限したり、長く抑圧したり、厳しく責め立てたり、何もかも否定したり等すること(なか)れ。個性そして知情意を建設的に肯定して、練習させては、練磨させて、練達させ、そして、自ずと精練しては、自ら修練して、自力で自身を鍛練し、自助で自然に来襲する試練に臨んでは耐えては成功を収める事が出来るように、窮理を以て本能を洗練し、活性を以て自我を修錬し、発心を以て欲求を精錬し、深思を以て鍛錬し、実行を錬磨し、克己を以て錬成するのだ。「錬る」とは「即自(そうぞうてきなほしゅ)かつ対自(はかいてきなかくしん)」。

⒐快楽原則に絶対的に死守し続ければ、数多の醜悪な美を為し続けるように成り、現実原則に論理的に厳守し続ければ、数多の無味な功を為し続けるように成り、経済原則に利己的に固守し続ければ、数多の有害な強勢を為し続けるように成る。故に、修道を以て快楽原則と現実原則を調合しては、修徳を以て信義誠実の原則を確立して、積徳を以て経済活動に美的かつ知的に参画し、そして盛徳大業の志を以て利他的に経済原則に遵守し続けよ。それを初志貫徹すれば、遠い未来に、数多の善美な言行が、数多の現実味の有る功徳が、数多の適正な安定が、成り続けるように成るのだ。

⒑「殺すこと(なか)れ」という厳禁の中の厳禁、これを確かに厳守し続けても、「自他の、命を害しては、欲を(あお)り、生を壊す。」という害悪の中の害悪は実際に齎し(もたら)続けることは、甚だ多い。厳禁の中の厳禁を現実的かつ抜本的に厳守して、「本物の自我を以て自力で自身の為に本当に生き続ける」という新規()き直しと、その極意である「自他の命を大切しては、自力で独立と自由を確保と護持して、善美を以て共生し続ける。」、その奥義である「徳を以て学び続ける」という至宝の中の至宝、その神髄である「互いに愛し合い続ける」という至福の中の至福を、誠に創造しては護持し続けよ。

⒒事業を完遂する為には実力組織を完成しなければならず、実力組織を完成する為には実力者達を完備しなければならず、実力者達を完備する為には、実際的に事物を究明しては、理知的に物事を認識して、学究的に自己を啓発し、そして、事実を直観的に理解しては、事情を直感的に諒解(りょう)して、誠に是正しつつ確りと是認される領導力(リーダシップ)とその実践知、及び、それを誠に補正しつつ確りと補完する指導力(フォロワーシップ)とその是認される暗躍が、必ず要る。自学と自習に自制と自省を続ける指導者が領導力(リーダシップ)とその実践知を確保する「道」で、それに忠実に従事する指導力(フォロワーシップ)とその是認される暗躍が「徳」。

⒓三つの偉大なる立志を成せ。「誠に真実一路を貫徹する」という初志とその至難の道、「誠に尽善尽美を貫徹する」という初志とその至難の徳、「誠に生涯学習を貫徹する」という初志とその至難の学、これらが三つの偉大なる立志である。なぜこの三つの立志は偉大であるのか?それは、処世と保身をしつつも、人知に決して盲従せずに天に純粋に尽忠し続け、人欲に決して隷従せずに地に主体的に参画し続け、人力に屈従せずに人に抜本的に垂範し続けるからである。初志貫徹せよ!

⒔十の主義を兼備しては、それらを、尽善尽美を以て実践しては、功徳兼隆を以て実現して、窮理しつつ千変万化を成し、そして自他と共に十全健康を実現せよ、折衷主義とその中庸よ!理想主義と現実主義とその成敗、禁欲主義と快楽主義と安危、精神主義と物質主義とその過不足、神秘主義と実用主義とその強弱、虚無主義と実存主義とその真偽…内で成るも外では敗れ、確かに安らぐが実は危うく、過ぎて病む上に不足して窮し、強いと錯覚して弱いままで、真実は真実で人為は(つくりもの)


開物成務をもっと見る

購読すると最新の投稿がメールで送信されます。

コメントを残す